「英語の勉強をしたい」
そう思ったときに「TOEIC L&Rを受けてみよう」と思う方は多いと思います。日本ではTOEIC L&Rが昇進や就職活動での評価に直結しやすく、手っ取り早く英語の能力値を社会に示すことができるからでしょう。かく言う私もTOEIC L&Rのスコアがあったお陰で転職できた経験がありますし、英語の勉強を始めるにあたってまず最初に始めたのはTOEIC L&Rの勉強でした。ですが、その一方でこんな疑問も出てくると思います。
「TOEIC L&R高得点を取ると英語を話せるの?」
今日はそんな疑問に、TOEIC L&R 885点を取得したことのある私が正直にお答えしていこうと思います。
TOEIC高得点の人って英語話せるようになるの?
これは実際、TOEIC L&Rの勉強を始める前の私も抱いた疑問で、TOEIC L&Rという試験を真剣にやって高得点を取ればいわゆる「ペラペラになれるのか」を知りたくてネットサーフィンをしまくったりしていました。ですが、当時はあまりこの疑問に対する答えを提示してくれているものはなく、半信半疑のままTOEIC L&Rの勉強を始めたのを覚えています。(私の探し方が下手だったのかもしれませんが)
最終的に、私はTOEIC L&Rで885点を取得するまで勉強をしたのですが、「ペラペラなのか」の問いに対する答えは間違いなくNOでした。「ペラペラ」の定義がとても曖昧だとは思いますが、ここでは「英語で問題なく日常会話程度の会話ができる状態」とさせてください。では当時の私がどんな状態だったのか、具体的にお伝えしていきます。目を覆いたくなくような辛い思い出たちですが、どうかお付き合いください(笑)
885点取った私の実力
私はこの885点というスコアで英語を結構使う会社に転職することができたのですが、スピーキングは本当に使い物になっていませんでした。電話対応も自信がなく、英語での打ち合わせなんてとんでもありませんでした。なにせ言葉が全く口から出てきません。日本語は思い浮かぶけれど、それを英語に変換できなかったですし、電話対応では「Please hold for a moment.」ととりあえず言っておいて、英語ができる同僚にヘルプを求めることしかできませんでした。唯一の救いは、TOEIC L&Rのおかげでリスニング力はある程度あったので、話している内容はざっくり理解できたことです。ですが、クライアントの担当者がインド系の方だった時は本当に聞き取れなかったです(涙)英語の会議の前には質問などを事前に書き起こしておいたり、使いそうな単語を調べておいたりしていました。そうしないと会話なんて到底成り立たせることができなかったのです。今思い出しただけでも鳥肌が立ってきます。
しかも、スピーキングだけでなくライティングも壊滅的でした。英語のメールを打ちなければならないのに、何も自分の頭から出てこないで、数分止まってしまい、忙しいことを言い訳にして翻訳ツールを使いまくっていました。私は日本人の好きなアーティストがいるのですが、その方々が海外で取材を受けたときにYouTubeやSNSで英語でコメントしたいと思っても自分で何も英文を生み出せず、そこでも翻訳ツールに頼っていたほどです。
正直、この職場で885点の自信は完膚なきまでに打ち砕かれました。むしろ、この885点という点数が私の自信を更に削いできました。
「あんなに勉強したのに、こんなこともできないなんて」
「885点取れても、仕事で英語使えてないじゃん」
「今まで頑張ってきたのはなんだったんだろう」
もう心は粉々です(笑)
TOEIC L&Rだけにフォーカスして勉強した場合、これが私の紛れもない真実です。既に皆さんお気づきの通り、TOEIC L&Rの800点は「ペラペラ」を保証するものではありません。Listening & Readingのテストですから、当然と言えば当然なのですが…。もちろん、800点台取れるようになれば基礎は身につくと思っています。リスニングも比較的聴き取れるでしょう。ですが、私はネイティブからの爆速クレーム電話では10%も聞き取れずに爆死したこともあります。(I’m so sorry…しか言えなかった)ネイティブは教材のようにゆっくり話してはくれません。そういう意味ではリスニング力もまだまだ不足していたのだと思います。
では、リーディングはどうでしょうか。TOEIC L&Rのリーディングセクションは一番最後にあるので、時間に追われて読むことには慣れているものと思っていましたが、難解なビジネス文書を限られた業務時間で理解してタスクに落とし込むのとは全然違いました。知らない単語は多いは硬い文章で読み解くのも私にとっては難解でした。毎日さまざまな英文を読んでいて「読むのが遅い、遅すぎる!!!!」と自分にクレームを入れたいくらいでした。じゃないと早く帰れませんからね(笑)
あくまで私の感想ですが、「TOEIC L&Rの勉強だけ」をしていても、話せるようにも、書けるようにもならないと思います。正直、ここがスタートラインだったとすら今では思うのです。先程からいかに私の仕事がカオスだったのかはお伝えしていますが、流石にこのままでは仕事になりませんし、上司に申し訳なく感じるほどでしたので、もちろんここから本気でスピーキングとライティングに向き合っていく日々になります。そこで私が選んだのが今はなき「神田外語Extesion」だった訳ですが、詳細は以下でご確認ください。
「英語ペラペラ」への道
結局「ペラペラ」になるには会話の練習は必要不可欠で避けては通れない道、ということに私はここで気づいたのです。そんな私と違って「そんなこと知ってるよ!」という方も多くいらっしゃるでしょうが、「TOEIC L&Rで885点持っています」と言うと、ペラペラなんじゃないかと思う人は少なくないのです。私も実際にそんな風に思われたことがたくさんありましたし、自分でも「ここまで頑張ったんだから…」と信じたくなる様な気持ちになっていました。でも、現実はそんなに甘くなかったということですね(涙)
これを読んで、「TOEIC L&Rの勉強やめようかな」と思った方もいるかも知れません。ですが、私が言いたいのはTOEIC L&Rの勉強が無意味だということではありません。「TOEIC L&Rのスコアがなければその職場に転職できなかった」というのもまた事実です。個人的に、昇進や就職活動でスコアがあったほうが有利に働く環境にいらっしゃる方は絶対に高得点を取れるまでTOEIC L&Rをやったほうが良いと思います。日本でTOEIC L&Rの高得点はかなり有利に効きます。また、TOEIC L&Rを学べば英語の基礎力は絶対についてきます。結局は英語という言語を学んでいるのですから、力になっていない訳がありません。学ぶ価値は絶対にあります。
ですが、「スコアはいらない、話せるようになることが優先」という場合はあえてTOEIC L&Rを勉強する必要はないかもしれません。TOEIC L&Rの教材じゃなくても文法は学べますし、リスニング、スピーキング、ライティング、それぞれ様々な段階に合わせて素晴らしい教材やサービスはたくさんあります。そういった面を踏まえて、英語をどの様に学んでいくべきなのか、慎重に考える必要があるのかもしれません。やはりやるからには結果を出したい方も多いと思うので、ご自身のなりたい姿をイメージして是非一度考えてみてください。
TOEIC L&R以外でオススメの教材やサービスについては追々このブログで記事にしていきたいと思っていますので、楽しみにしていただけたらと思います!
というわけで、今回はTOEIC 800点の(私の)真実についてお話していきました。日本で英語の勉強をするといえばほぼイコールTOEIC L&Rをイメージする人が多いほど影響力のあるTOEIC。同時に、それはせっかく英語を勉強するなら「コミュニケーションを取れる様になりたい」という学習者の願望とは少し離れた位置にいるのかも知れません。(もちろんS&Wもありますが)私のアホみたいな失敗談が誰かの転ばぬ先の杖になったり、同じ苦労をしてる皆さんの癒し(?)になれば嬉しいです。
引き続き私も英語学習を頑張っていきます。ありがとうございました!